育成就労制度では、外国人を受け入れる企業だけで制度が完結するわけではありません。国の機関、送出国、監理支援機関など、複数の関係機関が連携して制度を運用する仕組みになっています。
これは、技能実習制度時代の反省を踏まえ、外国人の権利保護と制度の透明性を高めるために設計されたものです。
ここでは、企業の立場から見て「どの機関が、どんな役割を担っているのか」を分かりやすく説明します。
企業は、制度上「育成就労実施者(受入れ機関)」と位置づけられます。
受入企業の役割は、①育成就労外国人と雇用契約を結ぶこと、②現場で実務を行いながら技能を育成すること、③日本で長期的に活躍できる人材として雇用することになります。
育成就労制度は、単なる人手確保ではなく、人材を育て、定着させることを企業に求める制度である点が特徴です。
受入企業を実務面で支援するのが監理支援機関です。
監理支援機関は、外国人と企業の雇用関係の成立のあっせん、育成就労が適正に行われているかの監査、制度に沿った運用ができているかの確認などを行います。
育成就労制度では、監理支援機関は許可制となっており、技能実習制度時代よりも厳格な基準が設けられています。
※ なお、企業が単独で受け入れる「単独型育成就労」の場合は、監理支援機関が関与しないケースもあります。
育成就労制度の中核となる国の機関が外国人育成就労機構になります。
この機構は、育成就労計画の認定計画どおり育成就労が行われているかの実地検査企業や監理支援機関への指導・助言といった役割を担います。
企業にとっては、育成就労計画が制度の中心にあると理解しておくとわかりやすいと思います。
在留資格の管理を行う機関で、外国人育成就労機構と連携しながら制度運用を行います。
ハローワークは、監理支援機関や外国人育成就労機構と連携し、転職(転籍)が発生する場合の支援を行います。転職が制度として認められている育成就労制度では、ハローワークの関与も重要なポイントとなります。
育成就労制度では、原則として二国間取決め(MOC)を締結した国からのみ 外国人を受け入れます。
日本政府と二国間取決め(MOC)を締結し、適正な人材送出が行われる枠組みを整えます。
送出機関は、育成就労を希望する外国人の募集、来日前の研修(日本語・生活指導など)、求職申込みの取次ぎを担当します。
これにより、高額な手数料や不適切な送出しを防ぐ仕組みが整えられています。
これらすべての機関は、育成就労外国人を中心に連携する構造になっています。
外国人が、適正な環境で働けること、技能を身につけ、キャリアアップできることを前提に制度が設計されている点が、これまでの制度との大きな違いです。
企業として重要なのは、受入れは「企業単独」ではなく、制度全体の一部であること計画に基づいた育成・雇用が求められること、専門機関と連携しながら進める制度であることです。
制度を正しく理解し、信頼できる専門家や監理支援機関と連携することで、育成就労制度は 安定した人材確保の仕組み として機能します。
育成就労制度は、国、送出国、監理支援機関、受入企業がそれぞれの役割を担い、連携して運用される制度です。企業はその中で「人材を育て、長く雇用する主体」
として重要な役割を担います。
制度を正しく理解することが、外国人雇用を成功させる第一歩となります。
関連サイト⇒特定技能自社支援ネット関西(育成就労制度とは)
関連情報⇒特定技能・育成就労制度対応業務